電子部品製造の現場では、サブミクロン粒子が歩留まりを左右します。
クリーンルームに入る直前に設置されているエアシャワーは、歩留まりとコストの両面で大きなインパクトをもたらす装置です。
本記事では、電子部品製造業界でのエアシャワーの必要性や導入事例を解説します。
IC(集積回路)やMLCC(積層セラミックコンデンサ)などの電子部品は、0.1µm級の粒子でも欠陥を誘発。
ISO14644-1で規定されるISOのClass3〜5の厳格な清浄度を維持する必要があります。
汚染源は人由来のものが多く、作業者がクリーンウェアを着用した後に残る微粒子を除去するエアシャワーは、生産ラインの歩留まりと清浄な歩行導線の両方を守る装置です。

半導体製造工場の事例です。クリーンルーム内でのわずかな粒子汚染が製品不良の原因となっていました。
特に静電気に吸着した微粒子や作業員の衣服からの発塵が問題視され、検査工程での不良率が慢性的な高止まりに。
こうした背景から、高性能HEPAフィルターを搭載したエアシャワーシステムを導入することになりました。導入したことで、作業員がクリーンルームに入室する前に効果的な粒子除去を実現。
粒子付着による微細断線や表面異常が減少し、検査工程での不良率が減少しました。
電子部品工場では、製品ごとに求められるクリーン度が異なります。
ISOのClass3〜4を狙う場合は、風速20~30m/sのノズル配置とULPAフィルターの併用が必須です。
Class6程度であれば標準HEPA仕様でも十分ですが、将来の微細化を見据えたアップグレード余地を確保しておくと追加投資を抑えられます。
高頻度利用が前提となる電子部品ラインでは、直流ブラシレスファンとモジュール交換式フィルターを採用したモデルを選ぶことで、停止時間の短縮が可能です。
高頻度の利用でも故障しにくい耐久性やメンテナンス性の高い製品を選びましょう。
人と物の動線を完全に分離する場合は、2ドアインターロック連携やシートシャッター型を組み合わせ、AGV(無人搬送車)やコンベヤとの同期制御を行うと、汚染リスクと人為エラーを同時に低減できます。
電子部品製造の現場では、サブミクロン粒子が歩留まりを左右し、不良やコスト増につながります。 今回紹介した事例では、半導体工場で高性能HEPA搭載エアシャワーを導入し、検査工程での不良率を改善しました。
エアシャワーはクリーン導線を守るゲートとして、生産性と品質を両立させる装置と言えるでしょう。具体的な導入検討には、工場の規模やライン特性に応じた相談が不可欠です。
本サイトでは、工場別におすすめのエアシャワーメーカーを掲載しています。導入検討時の参考にしてください。

| 主なフィルター | 制菌防カビ仕様中性能フィルター HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 制菌防カビ仕様中性能フィルター:25m/sec以上 HEPAフィルター:20m/sec以上 |
| 集塵性能 | 記載無し |
| 捕集性能 | ・中性能フィルタ:0.4~0.7μm粒子に対して40~50%以上 ※70~80%以上となる高性能フィルタの選定も可能 ・HEPAフィルタ:0.3μm粒子に対して99.97%以上 |
| 標準の床材 | ステンレス |
| ジェット風 | 両側面+天井の3方向 |

| 主なフィルター | HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 30m/s ±20%※2 |
| 集塵性能 | 記載無し |
| 捕集性能 | 0.3μm粒子にて99.99%以上 (HEPAフィルター搭載) |
| 標準の床材 | 建築床 |
| ジェット風 | 片吹き |

| 主なフィルター | HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 記載なし |
| 集塵性能 | 99%以上(重量法) |
| 捕集性能 | 0.3μm粒子99.97%以上 (DOPテスト) |
| 標準の床材 | 記載無し |
| ジェット風 | 記載無し |
※フィルターの種類:
制菌防カビ仕様中性能フィルター:空気中の微粒子(約1μm以上)を除去しつつ、菌の繁殖やカビの発生を抑える機能を持つフィルター。食品・医療・クリーンエリアなどの衛生管理に有効。
HEPAフィルター:0.3μm以上の微粒子を99.97%以上の高精度で捕集できる高性能フィルター。クリーンルームや精密機器、医薬品製造などに使用される。
※集塵性能とは:空気中の粉塵をどれだけ装置全体で取り除けたかの割合。/捕集性能とは:フィルターなどがどれだけ粉塵を捕まえたかの割合。
※1:※三共空調公式HP(https://sankyo-ku.co.jp/quality.html)(2000年~2024年の実績)
※2:初期における平均値。
※3:別売り。