医薬品を扱う現場では、たった一粒の微粒子や微生物が製品の品質・患者の安全性を左右します。エアシャワーは、異物混入のリスクを抑えつつ作業効率も確保できるソリューションです。
本記事では、医薬品業界でのエアシャワーの必要性や導入事例を解説します。
無菌製剤ラインや原薬製造エリアでは、人の移動が汚染要因です。GMP(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)の基本でもある汚染防止は、一次更衣→二次更衣→エアシャワーと、段階的に清浄化を行うことで衛生環境を維持。
エアシャワーは、作業者に付着した塵埃や繊維くずを高圧エアで剥離し、HEPAフィルターで捕集することで交差汚染や微生物の持ち込みを抑制します。
粉末製剤や高薬理活性医薬品では、製品側だけでなく作業員の被ばくリスクもあるため、封じ込めと清浄度維持を同時に満たすエアシャワーが必要不可欠です。

医薬品検査薬メーカーの事例です。生産設備を拡大するため、異物付着対策と空調負荷の低減を両立できるクリーンブースとエアシャワーを導入しました。
空調が管理されていない倉庫で発塵源が多い状態だったため、エアシャワーを更衣室と一体で新設し、作業員は必ずクリーンエリアに入る前後でエアシャワーを浴びる動線に変更。クリーン化したことで作業環境と生産品の質も改善されました。顧客だけでなく、現場の作業者からも喜びの声が上がったとのことです。

医療用3Dプリンターを用いて人工心臓や臓器などを製造するメーカーの事例です。人の体に入れる製品を取り扱うため、異物混入対策を徹底したい目的から、新規ショールーム内に清浄度Class1,000のクリーンブースとエアシャワーを導入。
作業員はエアシャワーを通過し、塵埃を除去してからクリーンブースに入る動線にしました。非稼働時はブースをシャットダウンできる仕組みとすることで電力使用を最小化。
高清浄度クラスの衛生環境を維持しているため、ショールームの見学に来る顧客の信頼獲得にも貢献しています。
医薬品製造の現場では、一粒の微粒子や微生物が品質や患者の安全性を左右します。今回紹介した事例では、倉庫のクリーン化による品質向上や、ショールームにおける衛生対策が安全性と信頼獲得に直結しました。
エアシャワーは更衣や手洗いだけでは防ぎきれないリスクを抑え、交差汚染を未然に防ぐ重要な役割を果たします。導入検討には工場の規模や動線に合わせた相談が不可欠と言えるでしょう。
本サイトでは、工場別におすすめのエアシャワーメーカーを掲載しています。導入検討時の参考にしてください。

| 主なフィルター | 制菌防カビ仕様中性能フィルター HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 制菌防カビ仕様中性能フィルター:25m/sec以上 HEPAフィルター:20m/sec以上 |
| 集塵性能 | 記載無し |
| 捕集性能 | ・中性能フィルタ:0.4~0.7μm粒子に対して40~50%以上 ※70~80%以上となる高性能フィルタの選定も可能 ・HEPAフィルタ:0.3μm粒子に対して99.97%以上 |
| 標準の床材 | ステンレス |
| ジェット風 | 両側面+天井の3方向 |

| 主なフィルター | HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 30m/s ±20%※2 |
| 集塵性能 | 記載無し |
| 捕集性能 | 0.3μm粒子にて99.99%以上 (HEPAフィルター搭載) |
| 標準の床材 | 建築床 |
| ジェット風 | 片吹き |

| 主なフィルター | HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 記載なし |
| 集塵性能 | 99%以上(重量法) |
| 捕集性能 | 0.3μm粒子99.97%以上 (DOPテスト) |
| 標準の床材 | 記載無し |
| ジェット風 | 記載無し |
※フィルターの種類:
制菌防カビ仕様中性能フィルター:空気中の微粒子(約1μm以上)を除去しつつ、菌の繁殖やカビの発生を抑える機能を持つフィルター。食品・医療・クリーンエリアなどの衛生管理に有効。
HEPAフィルター:0.3μm以上の微粒子を99.97%以上の高精度で捕集できる高性能フィルター。クリーンルームや精密機器、医薬品製造などに使用される。
※集塵性能とは:空気中の粉塵をどれだけ装置全体で取り除けたかの割合。/捕集性能とは:フィルターなどがどれだけ粉塵を捕まえたかの割合。
※1:※三共空調公式HP(https://sankyo-ku.co.jp/quality.html)(2000年~2024年の実績)
※2:初期における平均値。
※3:別売り。