クリーンルームの出入り口に設置するエアシャワーには、「両吹き」と「片吹き」のタイプがあります。導入にあたり、どちらを選ぶべきか迷っていませんか。本記事では、それぞれの特徴や違い、環境に応じた選び方を解説します。
両吹きエアシャワーは、装置の左右両側の壁面にノズルが配置されているタイプを指します。入室者が庫内に入ると、両側面から同時にクリーンな空気が吹き付けられる仕組みとなっています。体の両側から強い気流を当てることで、衣服の表面に付着した塵やホコリ、毛髪などを効率よく吹き飛ばすことが期待できます。多くの工場や研究施設で採用されており、一般的なスタンダードな仕様として広く認知されている形式と言えるでしょう。
片吹きエアシャワーは、名前の通り左右どちらか一方の壁面にのみノズルが設置されているタイプです。庫内に入ると、片側からのみ空気が吹き出される構造を持っています。片側から気流を当てるため、もう一方の壁面側には空気を吸い込むための吸込口が設けられていることが一般的と言われています。壁に沿って設置する場合や、特殊なレイアウトが求められる現場において、省スペース化を図る目的で設計されることが多い傾向にあります。
両者における大きな違いの一つは、衣服に付着した異物を取り除く除塵の効率にあります。両側から同時に空気を吹き付ける両吹きタイプは、気流が体の周囲にまんべんなく当たりやすいため、より短時間でホコリなどを落としやすいと考えられます。一方で片吹きタイプは、片側からのみ風が当たる性質上、風が当たらない側の除塵に時間がかかる可能性があります。そのため、入室者が庫内で意図的に体を回転させるなどの工夫が求められる場面もあるでしょう。
設置に必要なスペースや導入費用についても、いくつか異なる点が見受けられます。両吹きタイプは両側にノズルと関連する配管などを内蔵する必要があるため、装置自体の横幅が広くなりやすい傾向があります。それに伴い、製造にかかる部品点数も増えるため、導入コストが片吹きに比べてやや高くなるのが一般的とされています。対して片吹きタイプは、片側の機構を省略できる分、本体をスリムに設計しやすく、価格を抑えやすいという特徴を持っています。予算や設置場所の広さに応じて比較検討することが大切です。
半導体工場や精密機器の製造ライン、医薬品の製造現場など、高い清浄度が要求される環境においては、両吹きタイプの導入が適していると言えます。これらの現場では、微細な塵の侵入が製品の品質に影響を及ぼす可能性があるからです。両側からの気流によって均一かつ短時間で除塵を行うことができれば、異物混入のリスクを抑えることに繋がります。作業員の入退室が多い現場でも、スムーズな運用が期待できるでしょう。
一方で、建物の構造上どうしても十分な設置スペースを確保できない場合や、壁に密着させて配置したい場合には、片吹きタイプが有力な選択肢となります。また、そこまで厳密なクリーン環境が求められない一次加工場や、バックヤードへの入り口などでも活用されることが多いようです。初期費用を抑えつつ、一定の衛生管理体制を構築したいという要望がある施設においては、コストパフォーマンスの面でメリットを感じやすいと考えられます。
両吹きは除塵効果と作業効率に優れる傾向があり、厳密な衛生管理が求められる現場に適しています。片吹きは省スペースとコストダウンに強みを持っており、設置環境に制限がある場合に便利と言えるでしょう。どちらのタイプが自社にとって適切なのかは、求める清浄度のレベルや用意できるスペース、予算などによって変わってきます。それぞれの特性をしっかりと理解したうえで、現場の目的に合致するエアシャワーを検討してみてください。
当サイトでは、導入環境や業界の基準に合わせて厳選したエアシャワーメーカーを紹介しています。自社の運用に最適な一台を見つけるための参考にしてください。

| 主なフィルター | 制菌防カビ仕様中性能フィルター HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 制菌防カビ仕様中性能フィルター:25m/sec以上 HEPAフィルター:20m/sec以上 |
| 集塵性能 | 記載無し |
| 捕集性能 | ・中性能フィルタ:0.4~0.7μm粒子に対して40~50%以上 ※70~80%以上となる高性能フィルタの選定も可能 ・HEPAフィルタ:0.3μm粒子に対して99.97%以上 |
| 標準の床材 | ステンレス |
| ジェット風 | 両側面+天井の3方向 |

| 主なフィルター | HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 30m/s ±20%※2 |
| 集塵性能 | 記載無し |
| 捕集性能 | 0.3μm粒子にて99.99%以上 (HEPAフィルター搭載) |
| 標準の床材 | 建築床 |
| ジェット風 | 片吹き |

| 主なフィルター | HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 記載なし |
| 集塵性能 | 99%以上(重量法) |
| 捕集性能 | 0.3μm粒子99.97%以上 (DOPテスト) |
| 標準の床材 | 記載無し |
| ジェット風 | 記載無し |
※フィルターの種類:
制菌防カビ仕様中性能フィルター:空気中の微粒子(約1μm以上)を除去しつつ、菌の繁殖やカビの発生を抑える機能を持つフィルター。食品・医療・クリーンエリアなどの衛生管理に有効。
HEPAフィルター:0.3μm以上の微粒子を99.97%以上の高精度で捕集できる高性能フィルター。クリーンルームや精密機器、医薬品製造などに使用される。
※集塵性能とは:空気中の粉塵をどれだけ装置全体で取り除けたかの割合。/捕集性能とは:フィルターなどがどれだけ粉塵を捕まえたかの割合。
※1:※三共空調公式HP(https://sankyo-ku.co.jp/quality.html)(2000年~2024年の実績)
※2:初期における平均値。
※3:別売り。