エアシャワーは工場などの異物除去に不可欠な設備ですが、稼働時の騒音にお悩みのケースも多く見られます。本記事では、騒音が発生する原因や、職場の環境改善につながる具体的な防音対策について解説します。
エアシャワーが発する大きな稼働音は、日常的に耳にする作業員にとって無視できない負担となります。強い風を吹き付ける性質上、どうしても一定の音量が発生してしまうことは避けられません。しかし、その音が大きすぎる環境下で働き続けると、知らず知らずのうちにストレスが蓄積されていく傾向にあります。特に、クリーンルームへの入退室が頻繁な現場においては、音による精神的な疲労が作業効率の低下を招く要因になることも考えられます。従業員の健康やモチベーションを保つためにも、騒音レベルを適切に管理することは大切だといえます。
工場内において、適切なコミュニケーションは安全確認や品質管理の要となります。エアシャワーの音が大きすぎると、周囲での会話が聞き取りにくくなり、業務上の大切な指示が正確に伝わらない恐れが出てきます。声を出してもかき消されてしまう状況が続けば、ちょっとした確認作業を怠る原因になりかねません。さらに、緊急時にアラートや周囲の呼びかけに気づきにくくなるという安全面での懸念も存在します。円滑に情報を共有し、安全な作業環境を維持するうえで、設備の稼働音が及ぼす影響を一度見直してみることをおすすめします。
衣服に付着した微小なチリやホコリを吹き飛ばすためには、毎秒数十メートルという高速の風を当てる必要があります。この強い空気がノズルから噴射され、人体や衣服、さらには壁面などに衝突する際に生じるのが風切り音と呼ばれるものです。除塵能力を確保するためには一定以上の風速が求められるため、構造上ある程度の音が発生するのはやむを得ない部分があります。とはいえ、風の吹き出し角度や庫内の形状によっても音の響き方は変わってくるため、導入している機種特有の設計が騒音の度合いに影響していることも少なくありません。
大量の空気を勢いよく送り出すために、エアシャワーの内部には強力な送風機が搭載されています。このファンが高速回転する際に生じる風の音や、モーターそのものが駆動する音も、騒音の大きな原因として挙げられます。機械のスペックやモーターの設計によって音の大きさや周波数は異なり、特に低音の響きが周囲に伝わりやすいケースも見受けられます。また、送風機を支える部品の固定方法によっては、モーターの振動が本体のフレームに伝わり、それが共鳴してさらに大きな音を生み出していることも考えられるでしょう。
長期間にわたってエアシャワーを使用していると、徐々に各部品の劣化が進行していきます。導入当初は気にならなかったにもかかわらず、最近になって急に音が大きくなったと感じる場合は、ファンやモーター軸のベアリング摩耗などが疑われます。部品がすり減ることで不規則な振動が生じ、「ガラガラ」「キーン」といった不快な金属音や異音を発生させる原因になります。また、フィルターの目詰まりによって空気がスムーズに流れなくなり、送風機に余計な負荷がかかって動作音が大きくなっているケースも珍しくありません。
すでに設置されている設備に対して手軽に行える対策として、防音グッズの活用が考えられます。本体の金属パネル部分に専用の制振材や防音シートを貼り付けることで、筐体全体の共振を抑え、外部に漏れる音を軽減する効果が期待できます。また、エアシャワーを設置している部屋の壁や天井に吸音材を施工することも一つの方法です。音の反響を防ぐことで、空間全体に響き渡る不快感を和らげることが可能になります。ただし、クリーンな環境を保つ必要があるため、発塵しにくい素材を慎重に選定するよう注意してください。
音の伝わり方を物理的にコントロールするために、設置環境そのものを見直すことも有効なアプローチとなります。たとえば、作業スペースのすぐ近くに配置している場合、パーテーションや間仕切りを追加するだけでも体感的な騒音レベルは下がります。もし工場内のレイアウト変更が可能であれば、音が直接響きにくい奥まった場所や、会話が必要なデスクから少し離れた位置へ移設することも検討材料になります。周囲の作業エリアとの距離を適切に保つことで、従業員が音によるストレスを感じにくい環境づくりを進めてみてください。
日々の点検と適切なお手入れは、機器の寿命を延ばすだけでなく、騒音トラブルを未然に防ぐためにも欠かせない作業です。定期的にプレフィルターの清掃や交換を行い、目詰まりによる送風機への負担を取り除くことで、モーターの唸り音を抑えられます。くわえて、専門業者による点検を依頼し、ファンやモーターの軸受にグリスを補充したり、摩耗した部品を早めに交換したりすることも重要です。日頃から稼働音に耳を傾け、普段とは違う音にいち早く気づく体制を整えておけば、大きな故障や騒音の悪化を防ぐことにつながるでしょう。
これから新しい機器の導入や入れ替えを検討している場合は、はじめから音の発生を抑える設計が施されたモデルを選ぶのが賢明です。とくに注目したいのが、静音性に優れたモーターを採用しているかという点になります。さらに、インバーター制御が搭載されている機種であれば、風量をなめらかに調整できるため、不要な全力運転を避けて稼働音を抑える効果が見込めます。高い除塵性能を維持しつつも、機械そのものの動作音が静かな製品を選ぶことで、導入後の職場環境が大きく改善される可能性が高まります。
モーター以外の部分に目を向けることも、静かなエアシャワーを選ぶうえで大切なポイントになります。稼働中は庫内に音がこもりやすいため、扉の密閉性が高く、遮音性に優れたガラスやパネルを採用している機種を選ぶと、外への音漏れをかなり防ぐことができます。あわせて、モーターや送風機の振動が本体に伝わらないよう、防振ゴムなどでしっかりと対策されている防振設計の筐体かどうかも確認してみてください。カタログのスペック表に記載されている騒音値(dB)を比較しながら、現場の環境に合った一台を見つけることをおすすめします。
エアシャワーの騒音は、従業員のストレス増加やコミュニケーションへの支障など、職場環境にさまざまな影響を及ぼす課題の一つです。高速の気流や送風機によってある程度の音が発生するのは避けられませんが、防音材の活用やレイアウトの工夫、定期的なメンテナンスによって改善できる余地は十分にあります。経年劣化による異音が見られる場合や、これから導入を検討している際には、静音設計のモデルを選ぶことも有効な選択肢となります。日々の点検と適切な対策を組み合わせ、安全で快適な作業環境の構築を目指してみてください。
当サイトでは、導入環境や業界の基準に合わせて厳選したエアシャワーメーカーを紹介しています。自社の運用に最適な一台を見つけるための参考にしてください。

| 主なフィルター | 制菌防カビ仕様中性能フィルター HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 制菌防カビ仕様中性能フィルター:25m/sec以上 HEPAフィルター:20m/sec以上 |
| 集塵性能 | 記載無し |
| 捕集性能 | ・中性能フィルタ:0.4~0.7μm粒子に対して40~50%以上 ※70~80%以上となる高性能フィルタの選定も可能 ・HEPAフィルタ:0.3μm粒子に対して99.97%以上 |
| 標準の床材 | ステンレス |
| ジェット風 | 両側面+天井の3方向 |

| 主なフィルター | HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 30m/s ±20%※2 |
| 集塵性能 | 記載無し |
| 捕集性能 | 0.3μm粒子にて99.99%以上 (HEPAフィルター搭載) |
| 標準の床材 | 建築床 |
| ジェット風 | 片吹き |

| 主なフィルター | HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 記載なし |
| 集塵性能 | 99%以上(重量法) |
| 捕集性能 | 0.3μm粒子99.97%以上 (DOPテスト) |
| 標準の床材 | 記載無し |
| ジェット風 | 記載無し |
※フィルターの種類:
制菌防カビ仕様中性能フィルター:空気中の微粒子(約1μm以上)を除去しつつ、菌の繁殖やカビの発生を抑える機能を持つフィルター。食品・医療・クリーンエリアなどの衛生管理に有効。
HEPAフィルター:0.3μm以上の微粒子を99.97%以上の高精度で捕集できる高性能フィルター。クリーンルームや精密機器、医薬品製造などに使用される。
※集塵性能とは:空気中の粉塵をどれだけ装置全体で取り除けたかの割合。/捕集性能とは:フィルターなどがどれだけ粉塵を捕まえたかの割合。
※1:※三共空調公式HP(https://sankyo-ku.co.jp/quality.html)(2000年~2024年の実績)
※2:初期における平均値。
※3:別売り。