クリーンルームの清浄度を保つためには、エアシャワーを浴びる前に着用するクリーンウェア(無塵衣)の正しい着衣が不可欠です。着用そのものよりも、着脱手順の管理が実効性能を決めるといえます。本記事では、エアシャワーの効果を最大限に引き出すクリーンウェアの素材や、ホコリの持ち込みを防ぐための正しい着衣手順、入室前のルールについて詳しく解説します。
なぜ専用のウェアが必要で、どのような素材が適しているのか疑問に感じる方も多いはずです。エアシャワーで効果的に除塵できる素材の特徴について解説します。
人間は動くだけで大量の皮膚片や繊維くずを出すため、全身を覆って粒子をクリーンルーム内へ放出させないようにする役割があります。衣類で封じ込めることが清浄度維持の前提となるわけです。
クリーンウェアの素材は、ポリエステル長繊維に導電糸を織り込んだ生地を使用することで、自身からの発塵を抑えつつ、静電気(帯電)によるホコリの吸着を防ぎます。これにより、エアシャワーの風で付着物が落ちやすくなる仕組みです。
服を着るだけで問題ないと考えていませんか。クリーンウェアの外側を汚染しないための具体的な着替え方や順番には、厳格なルールが存在します。
まずは更衣室を「高クリーンゾーン」と「低クリーンゾーン」に分けます。床に服がつかないように内側からたくしあげておくなど、着替える前の準備工程が非常に重要といえるでしょう。
服の外側を触らないようにしながら、足を通した後に片方ずつ腕を通し、ファスナーを一番上まで上げます。最後にマスクや手袋を装着し、隙間を作らないよう鏡でチェックする流れを徹底してください。
着替え終わった後、そのまま入室してよいのでしょうか。実際にクリーンルームへ入室する際のルールや、持ち込みに関する注意事項を解説します。
クリーンウェアを着た後は、入室前に粘着ローラーで服のホコリを取り、エアシャワーを浴びる手順を徹底してください。また、個人のスマホやタオルに加え、紙の繊維や鉛筆の芯から塵が出るため、これら発塵の原因となる私物の持ち込みは禁止されています。
クリーンルームの清浄度は、帯電防止素材のクリーンウェア選びと、服の外側を汚さない正しい着衣手順、そしてエアシャワー前の粘着ローラー等のルール徹底によって守られます。洗濯・保管・着脱手順の管理が実効性能を決めるため、作業員への教育やマニュアル化を進めてください。

| 主なフィルター | 制菌防カビ仕様中性能フィルター HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 制菌防カビ仕様中性能フィルター:25m/sec以上 HEPAフィルター:20m/sec以上 |
| 集塵性能 | 記載無し |
| 捕集性能 | ・中性能フィルタ:0.4~0.7μm粒子に対して40~50%以上 ※70~80%以上となる高性能フィルタの選定も可能 ・HEPAフィルタ:0.3μm粒子に対して99.97%以上 |
| 標準の床材 | ステンレス |
| ジェット風 | 両側面+天井の3方向 |

| 主なフィルター | メイン:HEPAフィルター / プレ:不織布フィルター |
|---|---|
| 風速 | 吹き出し風速:約 25 m/s |
| 集塵性能 | 風量:約 23 m³/min(循環回数:約 505 回/時) |
| 捕集性能 | 0.3μm粒子にて99.99%以上 (HEPAフィルター搭載) |
| 標準の床材 | SUS(ステンレス)パンチング床 |
| ジェット風 | パルスジェット+天井エアーカーテン風(両側面+天井) |

| 主なフィルター | HEPAフィルター |
|---|---|
| 風速 | 記載なし |
| 集塵性能 | 99%以上(重量法) |
| 捕集性能 | 0.3μm粒子99.97%以上 (DOPテスト) |
| 標準の床材 | 記載無し |
| ジェット風 | 記載無し |
※フィルターの種類:
制菌防カビ仕様中性能フィルター:空気中の微粒子(約1μm以上)を除去しつつ、菌の繁殖やカビの発生を抑える機能を持つフィルター。食品・医療・クリーンエリアなどの衛生管理に有効。
HEPAフィルター:0.3μm以上の微粒子を99.97%以上の高精度で捕集できる高性能フィルター。クリーンルームや精密機器、医薬品製造などに使用される。
※集塵性能とは:空気中の粉塵をどれだけ装置全体で取り除けたかの割合。/捕集性能とは:フィルターなどがどれだけ粉塵を捕まえたかの割合。
※1:※三共空調公式HP(https://sankyo-ku.co.jp/quality.html)(2000年~2024年の実績)
※2:別売り。